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2008年3月16日 第11回東京・荒川市民マラソン  その2
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それは、復路の40キロに設置されている、チップを感知する赤いマットが
目に入ったからです。

いたさん「ああ、この赤いマットの下にあるセンサーでチップを感知して、
タイムを計測するんだったな。あれ?ゼッケンの中に入っていたチップ、
付けた記憶がないぞ?あ、やっぱり付いてない!こりゃ参ったぞ!」

チップをシューズに付けていない、ということはこの先いくら走っても、
公式記録上は、走った記録無し、ということになります。
チップが無いことに気づいたときは、このまま正式記録が無くても、自分なりに
走れればそれでいいや、とも考えましたが、2.5キロくらいの時点でしたので、
今から引き返すロスタイムを考えても制限時間は7時間、それまでには帰って
こられるだろう、ならば、やはり記録に残る走りをしたい、ということで、
引き返すことに決めました。

とりあえず近くにいた係りの人に、チップを付け忘れたので、引き返して取りに
行き、またスタートしてもよいかどうかたずねました。

すると係りの人は、「まあそれは大変!よかったら私の自転車を使ってください!」
と自転車を貸してくださいました。
気が動転していた私は、「それはどうもありがとう」と、自転車を借り、上の道を
引き返そうとしましたが、はたと思いついたのは、
「自転車でスタート地点までいくのは良いが、スタートに付いたらこの自転車、
どこに置いておけばよいのだろう?まさか、自転車に乗ってスタートラインをまたぐ
わけにもいかないし」と思い直し、自転車は係りの人に返し、走って引き返すことに
しました。

そんなこんなしているうちに、レースコース上にランナーの姿はまばらになりました。
上の土手を走っていましたが、なんとなく気まずい(もはやこのシチュエーションでは
どこを走っても気まずい)ので、コース上を逆走することに。

ほぼ100メートルおきに係員は立っています。当然逆走している私に係員の視線は
つきささります。
無言で通過するのも気まずいので、係員の方に会うたびに、「いやあ、チップを付け
忘れて取りに行ってきます」と説明しながら走りました。
係員の方は、「ああ、そりゃあもったいない!でもがんばって!」と暖かい言葉を
かけてくださいました。
そんなこんなでやっとスタート地点に。スタート会場では、ちびっ子ラン、そして車椅子
マラソンのスタートが行われていました。
そんな会場で、Pさんが設営してくださったテントに戻り、チップをシューズに取り付け
ました。
(もし、大会の荷物預け所に預けていたら、レース中は盗難防止のため自分の荷物を
取りにいけなかったかもしれません。荷物を私設のテントに置いておいたのが不幸中
の幸いでした)

さあ、仕切りなおしのスタートだと、スタートゲートに行ったら、あ!また来た!と係員
からの厳しい視線(苦笑)すみません、と私が言う前に、係員、「これからスタート?
困るなあ、9時にきてもらわなくちゃあ!」(どうやら、私のような人も含めて遅刻して
スタートする人はそれなりにいるらしい)
いた「すみません、チップを途中で付け忘れたことに気づいて、取りに戻ったんです」
係員「今車椅子の選手や、子供が走っているから十分気をつけていってらっしゃい。
時間によっては途中の関門で打ち切り、ということもありうるから、その了承のもとで
スタートしてください」
私は、係員の方々に謝りつつ、2度目のスタートを切りました。

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